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PHIMEANAKAS

日記の帯。わたくしが描いたの。Phimeanakasって,アンコール遺跡の一つです。天上の宮殿と謂う。


11月1日


水祭り最終日。

結局私はテレビでちらちらとボートレースを見ただけ。 市内にも行かずじまい。 

友達に、桟敷のチケットがあるけど? と言われましたがなんとその席は貴賓席。 そこに座る為にはカンボジアの礼装を着なければいけません。男性はタイにジャケット、女性はカンボジア風に白のレースの長袖ブラウス、ロングスカート、と同色のクロマー(タスキみたいに肩から斜めがけします)、このスカートとクロマーは曜日毎に決まった色があるそうで、今日は緑。 で、靴とバッグも指定の色(多分白)で決めなければいけません。 

そんなん、持ってないもん。 日本で外国人に、曜日毎七色違いの色留袖を着てね、と要求するようなもんであります。

国王始め、首相や大臣や大使が座ってるのをテレビで見ましたが、屋外なのよ、席。 扇風機くらいは置いてあるんだろうか。 いくら屋根があるとはいえ、日中の気温は30℃を越えてますしね、暑いよなあ。 半日礼装着て座ってるなんて、義務じゃなきゃ出来ないぞ。

ロイヤルアスコットのボックス席があるけど? といわれたらもう少し考えますがな。 しかしこれとても、衣装が大変そうではあります。 変な帽子かぶるしね、みんな。

閑話休題。 前回予告として「嗚呼、カンボジア!」と想う事件のこと。

メイドの妹が、病気でプノンペン市内の病院に入院したと電話がかかった、火曜の夜8時。

田舎住まいの人間が、プノンペンまで出てきて入院するとなれば、これはすなわちかなりの大病ということで、当然我が家のメイドは浮き足立ちました。 で、今から家に行かせて欲しい(家? 病院じゃなくて何故ウチ?)と言い出した時にまた電話。

「ボートに乗ってxx寺まで来たので、迎えの車をよこして欲しい」

既に入院してたんじゃなかったのか? おまけにそのxx寺とやら、プノンペンから何キロも離れた場所らしいです。

またまた浮き足立つ彼女。 「今から家行って、車の手配をする!」

またウチかい。 何故ウチに行く?  日本と違って、まだまだ自家用車の数は少ないですから、タクシーをつかまえるか、しなければいけません。タクシーとてここでは流しなんかで走ってないから、電話するか、タクシーだまりまで行かないと。 だけど、車の手配の為に何故ウチに帰らないといけないの? 思わず

「どのタクシーに頼むの? どこに頼むの? どちらにしろ、ここから電話して車をたのめばいいじゃない」と私。

「・・・タクシー会社なんて知らない・・・あっ、救急車を頼めばいいかも」

「じゃあ、救急車呼びなさい」

「どこで呼べばいいのか・・・電話番号知らないし」

「電話番号だあ? 私が知ってるわよっ。ほらっ、ここ二つあるからかけてかけて!」(少々イライラしてきた私。 何故に言葉も分からん外国人のわたくしが、いい大人のカンボジア人にカンボジアの電話番号を教えねばならんのか、なにやら不条理)

で、かけました。電話を。 長々喋ったあげく「C病院の救急車だから、誰かが病院まで行って救急車に乗ってかないと、目的地まで迎えに行ってくれない」「弟が今からここに来るから、家に行きます」「急がないと妹が待ってる」

またウチかい! 問題解決の鍵はは全てウチに落ちているかのようであります。 一刻を争うというときに、何故市の反対側にあるウチに帰るよ!? おまけに市内は水祭りの人出で大混雑です。 泥棒強盗も増えてます。 女1人で夜出かけたら危険だっつーの。 イライラ度の増したわたくし、

「弟が来るなら、弟に今から直接病院に行かせて、救急車に乗ってかせなさいっ。 問題がありそうなら、この二つの電話番号渡して行かせなさいっ」

そこでちょうとやって来た弟に、メモを渡して出発させました。

「妹の容態が深刻だったら、ここに電話するように言った?」

「忘れた・・・」

「じゃあ、少なくとも今から病院行って救急車乗るようには言ったのよね?」

「今から弟は家に帰って、他の妹と相談します」

????? 何故ウチに帰るよー。 相談なんかしてる暇があったら、救急車乗れよー。

なんか脱力してしまった私はそのまま寝室に引き上げました。

夜中1時過ぎに電話。 早朝6時に電話。

彼女の妹は難産の為にプノンペンまで夫と義母が連れてきたそうです。 待ち合わせの場所xx寺に迎えに来て欲しい、と電話をしてから彼らは車を見つけてプノンペンの病院に。 「相談」した弟と妹達は、救急車を使わずにその辺でタクシーをつかまえてxx寺まで行きましたが、もう彼らは出発した後で、完全な行き違い。 タクシー代、20ドル、無駄に。 日本でいったら2万円か、それ以上、5万円くらいの価値があるお金です。

なんだかねえ。 今回のことだけでなく、また彼女だけでなく、何かコトがあると、段取りをつけるということが出来なくなるんですよね、ここの人たち。 今回はなんとか間に合って、手術も無事成功しましたが、これは半分運がよかったとしか言えない。 すぐ「家に帰る」とか言うんだけど、家帰ってどうにかなるもんでもあるまい。 それとも、妹や弟がいればなんとかなるような気がするから家に帰りたいのか。 気がするだけじゃ物事は動かないのよー。

「あなた息子もいるんだし、いざというときの為に救急車の電話番号くらい知っておかなかきゃ」と言えば

「普通はモト(バイク)タクシーがいるから」(確かにモトタクシーはそこら中を流していて、いつでもつかまるけど)

ケガや大病の時にバイクで運ぶのか?

・・・カンボジアでは運ぶのか。 4人乗りなんてざらだもんな。

とにかくまあ、焦ってる割りにやることが悠長というか、段取り悪すぎというか、自分が大怪我したりしたらどうなることかとぞっとしました。私が采配を振るうしかなさそうだな。 失神するような大怪我大病をしませんように。 朝倒れても、夜に同居人が帰って来るまで「待ってました。どうしていいか分からなかったので。電話をかけて仕事の邪魔をしてもいけないと思って」なんてことになりそうだ。そしたらもうきっと死んでるもん。

カンボジア人の悪口を言いたくはないが

二つ以上の用事の優先順位がつけられない
とにかく現場に行こうとする(それでやっと話が始まるのだな)
しかしその現場が本当に現場かどうかは不明
情報を集めるよりすべて体当たりでいく(勇猛というか、エネルギーがあるというか)
イニシアティブがとれない
そして出来ればあまり働きたくはない(そら私だってそうだけどさ)
そのわりに無駄な動きが多い。

ああ、ああ、ああ。


ついでに書いちゃおう、最近友達がコックを解雇しました。 雇って10ヶ月、雇い主の指示無しに料理をしたことが無かったそうです。 指示無しにどんどん勝手をする使用人というのも困るけれど、いちいちこちらが何をするか言わないと動かない人間も、困る。 で、友人はある日言いました

「今日ここに20ドル置いておくから、市場に行って買い物して、私が夜帰って来るまでに夕食の用意をしておいて。 いままでの10ヶ月で色々私の料理も覚えたでしょ、何でもいいから作っておいて」

ね? これはコックに対して至極まっとうな要求ではありませんか。 おまけに友人は子供たちにも「今日コックが何を作ってあっても、文句言わずに食べるのよ」と言うまで気配りをしたのです。で、家に戻ってみると

テーブルの上には何も用意されておりません。 台所にも料理どころか火の気もありません。 でもコックはいます。 彼女はもう自分の夕食は済ませたようです。 不審にたえかねる友人

「私達の食事は?」

「忘れました」

忘れるな! コックだろう! 料理が仕事だろ!

こんな話極端に聞こえるかもしれませんが、実はよくある話なのだ。

カンボジア、住んでて悪いところとは思わないけど、時々どうしようもなく脱力します。


ぺシャワール会ものぞいてみてください。アフガニスタン難民を助けています。ちゃんと。月に2000円で、お腹が一杯になるんです。
アメリカの投下した救援物資はどれだけ人の手元に届いているかわからないし、大体が自分達を攻撃してる人間のよこした食料を素直に食べれるかどうか。

今、bin Ladenからプレゼントってケーキが届いたら、無心に食べられますか? おまけに、パッケージにある説明が英語なんだよね。ちがった? TVで見る限りはそのようですが、英語通じねえって、辺境で。おまけに、識字率が低いんだ。敵が落とした中身の分からないもの、食べられないって。

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