VARDAR
Skopjeを流れる河


2004年3月20日

なんだかコソボが騒がしくなってます。

騒がしい以上か。 20人以上が亡くなってるんだし。

NATOが思いっきり兵力増強したおかげで、「内戦」には至っておりませんが、NATOがいなかったら即座にまた「民族浄化」の繰りかえしだったことでしょう。

ことの発端は

セルビア人が犬をけしかけてアルバニア人の子供を河においやり、溺死させた

そうですが、こっちでセルビア系の人間に聞くと、被害者と加害者が逆になっているらしく

これは、ウワサが元なのでは? という気もします。

まあ、セルビア人が犬をけしかけた、くらいは大いにありそうな話ですけどね。

失業率は高いし、戦争が終わったからってセルビア嫌い、アルバニア嫌いも即座に終わるわけがなし

いつでもお互いを殴る準備はできてるところに、この「ウワサ」。

だからって、すぐ殺しあうなよ。

カンボジアと同じレベルじゃないか。 タイでカンボジア人が殺されたって「ウワサ」で、タイ大使館やタイ系のホテル・建物を焼打ちしてたよなあ (未だに全額の賠償はされてないそうですが)。

友達数人、コソボに住んでいまして、週末はよくこっちに来てたんですが、国境封鎖でマケドニアに来れず。 いつもなら1時間ちょっとで来れる距離なんですが

国境封鎖は、正しい判断だったかも。 ただ、あちらに居る友人達の危機感を思うと落ち着きませんが。 いつも行くパブのガラスも全部粉砕されたそうで(別にアルバニア系でもセルビア系でもなんでもない店なのに)。 

セルビア人にしろ、アルバニア人にしろ、マケドニアになだれ込んできたら、ここもコソボの二の舞だったでしょう。

ここだって、マケドニア人とアルバニア人の緊張は存在するし、他のウワサで

「アルバニア人がマケドニア人を襲った」

なんて話が流れた日には きっと

モスク焼打ち

正教会焼打ち返し

暴動

になるでしょうから

コソボが完全に落ち着くまで、ちょっとこちらもドキドキの毎日でございます。

独立した方がいいんじゃないすか、コソボ。

そうすると、マケドニア内のアルバニア人も一部独立したくなるから、駄目なのか。

しかしまあ、みんな深く考えないと言うか、今の鬱憤が晴らせれば後はどうでもいいというか

旧ユーゴでスロバキアだけ、5月にEU参加しちゃいますが

民族性の違い

っての、ほんとかもしれないぞ。

スロバキアはハプスブルグ家統治時代の精神的遺産が、EU参加一番乗りに役立った

ということで 要は

精神的に、かなり「西側」だって話です。

同じバルカンでも、ここらは500年トルコの統治下にあったわけで

やっぱり頭の中が、西ヨーロッパ的でないというか、法を守って暮らす、という風にできていない、と。

法は勿論 法ですけどね、実際はコネとか、慣習の方が強い、という。 あとは家長や、エライ人の言葉が一番である、と。

で、社会主義だった時代も影響してますしね、勿論。 全部「あなた任せ」なの。

なんでも「政府がやるべき」で、何も改善されなかったら「政府が悪い」。

いいけどね。 別に。

そういえば、今週から急に「春!」天気なので

その浮かれ天気でみんな暴動に走ったか? という気もしないではありません。

スコピエでも桜が咲きました。  桜なんか期待してなかったんで、驚いた。 けど、桜だ。 桜だと思う。

ただ、日本のように公園じゃなくて、個人の敷地に生えてる木がほとんどです。 ちょっと、不思議。 あまり個人の庭に桜って植えないよね、日本だと。 

これ、近所の桜なんですが、やっぱりサクラだよね?










ぺシャワール会ものぞいてみてください。アフガニスタン難民を助けています。月に2000円で、お腹が一杯になるんです。

とはいえ、なんだか途上国への援助って、もうやめたら・・・と思い出しているわたくし。 カンボジアも、アフガニスタンも。 貧者を見殺しにするのか? という声もありますが、なんだか脱力しちゃいますがな、その「援助」がどこに流れていくかと見聞きすると。 実際に役に立つモノは送っても政府が喜ばず、歓迎されるのはどうにでも途中でごまかせる援助金とか、大型プロジェクト、とかそんなんばっか。 

援助されて当然って顔するな! 自分で立て! 働け! ベンツなんか乗ってるな! ってよく思うんですけどね。



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