VARDAR
Skopjeを流れる河
2004年3月7日
マケドニア大統領の国葬は金曜日(5日)に行われました。
バルカン諸国の首脳から、各国の大使、約50カ国からの弔問客に加えて、マケドニア軍、それと一般会衆 (パウエル氏は来なかった。やっぱり、というべきか)。
11時から、と聞いていたのでまず10時半ごろにテレビをつけました。(その日は外出せず。 店も全部閉まってるし)
国会に安置されていた棺に、まず献花する弔問客達。 とはいえ、貴賓客で、一般人ではありません(一般の弔問は木曜日に行われた)。 11時になっても出棺の気配なし。 あれ? 仕方なくテレビはつけっぱなしで他のことをしていたのですが
12時になって、やっと、出棺です。 教会?と思ったのですが、そのまま墓地まで、軍の将校がささげ持つ十字架を先頭に、マケドニア国旗に覆われた棺、遺族・親族、外交官達、軍人、が議事堂を出発。 その後に外で待ち受けていた人達が連なりました。 YAHOO!のニュースによると、葬列は5kmの長さにも及んだとか。
え、あ、徒歩ですよ、徒歩。 みんな。 棺はさすがに(?)車でしたが、鉄製の荷台にくくりつけられて(!)軍用車に引かれていきました。 黒塗りの車にでも載せるのだと勝手に想像していましたが、違った。 みんなに見えるように? 引越し荷物みたいで、無粋、というか、荒ぶる、というか。
それで墓地まで行くのですが、かなり長くなりそうだな、と思った私は途中でテレビを消しました。 色々やることあったし。 この辺が、参列せずにテレビで見る勝手な第三者の楽なところですね (だから私はオリンピックもテレビで見るぞ。 アテネはそんなに遠くないけど、テロの噂もあるし、ホテルは部屋が足りないし、飲食店の衛生管理はなってないし、嫌じゃ)。
2時半、「もう終わっちゃったかな? それでもまた繰り返してビデオ見せるだろうし」
とつけたテレビ、やってました、中継で。 まだ葬儀の途中。
墓地で、みんな寒風の中、立ちっぱなしで首相や、EU・NATOの代表の弔辞聞く人達。 大変だぁ。 寒かったんすよ、金曜日。 2度くらいじゃないかな。
2時間歩いて、1時間外で立ちっぱなし。 あれで病気になる人もいたのでは? 特に普段そういうことに慣れていなさそうな人達で (後に車50台、ってニュースを見たので、流石にエライ人達は車で移動したのかもしれません)。
ガムかんでたおばさんいたもんね。 大使達が居並ぶ席で。 誰だ、あれは? それなりの役つきの人なんでしょうが、最前列で、葬儀の間にガムかむな。 テレビでみんな見てるんだぞ。 自分のイメージも落ちるだろ。
あと、将校クラスのマケドニア軍人も、私語して笑ってたり
列の後ろでしゃがんでた軍人(朝礼で気分が悪くなった小学生みたい)
しっかりしろ。
そんなで、あまり荘厳さを感じない葬儀になっちまいました。
テレビが悪い、のかもしれませんがね。
変に色々写っちゃいますから。
あ、なんだか棺がずいぶん軽そうだなあ、とも見えましたが。 DNA鑑定をしなければ身元が確認できなかった、という話を思い出しちゃいましたね。
も一つ驚いたのが、プロテスタントの牧師が式司祭をしたこと。 てっきり亡くなった大統領はマケドニア正教徒だとばかり思い込んでいたので。プロテスタントだったのだ。 参列者の中には勿論、偉そうな正教の神父さんもいましたが、宗教的には出番無し。
80年にチトー大統領が亡くなって以来の、国家的大規模セレモニーだったそうです。 道理で、みんな議事堂の辺りに集まったわけだ。
どうも、これで故大統領の評価が決まった、というか。 事故で亡くなったからこそ、親大統領の雰囲気が高まっているような。 不慮の事故で、マケドニアの民族分裂を防ぎ、流血の惨事を防いだ英雄、になったような気がします。
憲法によると、大統領の権力委譲(委託)が始まってから40日以内に選挙を行わなければいけないそうで
出来るのか?
という疑問はさておいて
ほんとにやったら、今大統領のことを大変善く言う人間に(あるいは大統領の路線、中道派というか、アルバニアとも上手くやっていこうという路線を継承する人間に票が集まりそうですね。
首相がどんなスピーチをしたのか興味があるところです。
マケドニアのテレビ局すべて、葬儀の模様を中継していたし、ということは、殆どのマケドニア人が彼の弔辞を聞いていた、ということで
もし彼が民衆の紅涙を絞らせるような名スピーチをしたのであれば
次の選挙は楽勝かも。
とはいえ、首相が大統領選に出馬できるのか、それともまず出馬する気があるのか私に分かりませんが
その気があるなら、絶好のキャンペーンだったよなあ
と思うのでありました。
さて、40日がほんとなら、4月の初旬には選挙です。 どうなることやら。
でもニュースにならないんだ、きっと。
大統領の葬儀の日、夕方見たBBC WORLDでも一言の言及もなし。 そら、イラクのシーア派の動きや、捕まえ損ねたビン・ラーデンや、スペインで起訴されたイギリスのサッカー選手の話の方が「大ニュース」なのは分かってますよん。 ハイチのことさえ報道されなかったもんな。 大統領死んじゃったけど、だからって内戦も起こらない小国の話なんか、誰も聞いてないのであった。
本人達は結構深刻なんですけどねえ。
大統領が出席する予定だった会議は、初めてバルカンの人間が、外国の援助無しに計画した会議だっただけにそんなケチがついて
「やっぱりバルカンで自分達だけで何かしようとするのは、無理」
なんてジンクスめいた気分が蔓延したり
事故のせいで同じ日に提出される予定だった、EU参加のアプリケーション(すまん、日本語が出ない。なんだっけ。 応募、じゃないな、なんだっけ)も受理式が延期されてしまったし
「あんなにマケドニアの平和の為に尽くした人間が死んでしまって、他に誰が彼の代わりができるというのか。 きっとこれからマケドニアは悪くなるばっかりなんだ」
なんて悲観論が出たり。
日本で首相が亡くなっても、こんなにならないよね。 っつーか、ならなかったよね、前。
長島さんが病に倒れられたそうですが
こっちのニュースの方が、首相の健康よりみんな気になっているのでは?
日本の首相は代わりがいる(失礼)けど、長島さんは、長島さんだもんねえ。 すごいわ。
ぺシャワール会ものぞいてみてください。アフガニスタン難民を助けています。月に2000円で、お腹が一杯になるんです。
とはいえ、なんだか途上国への援助って、もうやめたら・・・と思い出しているわたくし。 カンボジアも、アフガニスタンも。 貧者を見殺しにするのか? という声もありますが、なんだか脱力しちゃいますがな、その「援助」がどこに流れていくかと見聞きすると。 実際に役に立つモノは送っても政府が喜ばず、歓迎されるのはどうにでも途中でごまかせる援助金とか、大型プロジェクト、とかそんなんばっか。
援助されて当然って顔するな! 自分で立て! 働け! ベンツなんか乗ってるな! ってよく思うんですけどね。
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