Phimeanakas, diary in Cambodia

PHIMEANAKAS。かの有名なアンコール遺跡群の一つ。
「天上の宮殿」あるいは「空中楼閣」

2月22日

久方ぶりにNIRVANAのCDを聴く。　衝撃ー。　

93年のMTV UNPLUGGEDの版ですが、もう1年以上聴いてなかった。　で、HPの更新しながらでも、と思ってCDを入れて、彼(Kurt Cobain)の声が聞こえた時。　ああっ、こんな声だったのだ！　と衝撃の再確認。　ライブなんで、時々コーラスが変だったり、ギターのチューニングが狂ってたりするけど、NIRVANAの人気の理由を今更知った気分。　ほんと、今更。　あれから少しして、彼、自殺しちゃったし。94年だったか？　95年だったか？　TIMEでその記事を読んだ覚えはあるけど、どこで（どの国で）読んだか記憶がないー。

まさに、彼はカリスマの人なのでありました。　去年おととしあたり、日本で大流行したお安いカリスマとは違うのよ。　ほんとのカリスマよ。　あの声。　そーかー。歌詞がいいとか、メロディーがいいとか、云々以上に彼の魅力だったのだなあ。　大正昭和初期だったら、白皙の文学青年的な容貌ですが。　なんのこっちゃ。　ビンﾎﾞｰな文学青年の趣き。　まあそんなことはどうでもいいが、

死んじゃったんだよねえ。　もう何年も前に。

彼の場合は、有名ミュージシャンだったから、姿形声が多くの人にまだ多分、記憶されているのだろうけれど、どちらにしろ死んでしまったのだ。　消えて無くなっちゃったのだ、彼自身は。

なんてことを考えつつ彼の歌を聴いていたら、なんだかちょっとユーウツに。

死んじゃったら、それで終わりだなあ、と。　

そうなると、やっぱカンボジアの小乗仏教徒的に輪廻転生を信じていた方が気が楽そうだな。　死んじゃったら終わり、じゃなくて、続きがあるのだ。　これも考えるとちょっと辛いが。　カルマ、といいますね。　輪廻の輪から抜けられないの。　他の宗教で、天国地獄というのも一つの「頼り」なのでしょうが、どちらにしろ現世では

死んだら終わりなのだー。

ま、逆に、それで気が楽な部分もあるけど。

それにしても。

その｢終わり」の前に、人それぞれ色々あるわけですが、それに関しては本当に｢運だなあ」と思うのであります。

もし私がカンボジアに生まれていたら、クメール・ルージュの時代に殺されていたかもしれないし、今生き延びていたとしても、こんなPCなんかいじってる余裕はなさそうだ。　アフリカや北朝鮮やら、まあ、所謂先進国でない場所に生まれていたら、と思うとねえ。　途上国ならではの大金持ちになってた可能性も無きにしもあらず、ではあるが。　ベンツ乗りまわしてたりして。　このでこぼこ道で。　成金の無駄遣いー。

クメール・ルージュの大量虐殺時には、撲殺された大人は山ほど、子供も木に体を打ちつけられて殺されたり、色々。　200万人（この数は推定。　誰も本当の数字は知らない）が殺された。　そういう理不尽な死に方をしている人は今でも世界中にいる。　内戦があればすぐ民族間で虐殺が起こるし、飢餓はあるし、それでなくてもおかしなことは起こる。　先月、タイで生後数時間で射殺（！）された赤ちゃんの死体が見つかってた。　38口径で何発も撃たれて。

そんな記事を読むと、どうして生まれてきたんだろう？　と素朴な疑問が浮かんでしまいます。

個々が生まれて、死ぬという事自体にはそれほどの意味はないのかもしれないな。　阿諛羅識だったか？　なにかそういう大きな流れがあって、その中の水滴の一つに過ぎないのかもしれない。　それがどれだけ長く｢生き」るか、どういう｢死に方」をするかは問題ではなさそうな。　その流れの中に「在る」ことだけが事実で、私達は何も知らずに巻き込まれ流され消えて行くような気がしてきた。　それ（生まれて死ぬこと）に関して意味が有るとか無いとかを問うても無駄で、そこに在ったという事実の一片だけなのかも。　こーなると昔習った認識論とか、色々思い出さなきゃいけなくなるので大儀だな。　（この先も多少私なりに論考することはございますが、ここで止めておきます。）

こう書くと、じゃあ人生やりたい放題でいいのね？と結論されそうですが、自分を律するとか、罪を犯さないとかは、またそれより別のレベルの話でして、現世社会のルールに即する、と考えた方がよさそうです。　で、そのルールの根拠として納得しやすいものの一つが、宗教的理由づけで、天国に行けるとか、これじゃ地獄行きだとか、後生が悪いとか、輪廻で畜生に生まれ変わるとか、そんなの。　日本では皆々様が一様に納得できる根拠が揺らいできてるんですな。　それだから、変な犯罪が多くなるのよ。　世間様が、っていうのが規範の一つだった社会で、世間様とあまり関係なくなったら、コワイもの無しだもん。

なんだか妙な方向に話が向かいましたが、こーいうことも考えつつ、わたくしは基本的にはお気楽に暮らしているのでございます。