VARDAR
Skopjeを流れる河


2003年11月16日

先週末はギリシャに行っておりました。

息抜き。 引っ越したはいいけれど、家の中がろくに整わないのに嫌気がさして、脱出。

行き先は車で2時間半のテッサロニキ(サロニカ)です。 金曜午後にギリシャ入りすると、マケドニア側からの車が国境でずーっと並ぶっていうんで、敢えて土曜日朝出発。  正解。 他には車が2台だけ。 楽々ー。

テッサロニキ郊外は、いかにも南の、工業都市という感じで小汚く。 ギリシャ・エーゲ海のロマンなんかかけらもなく。 市内の渋滞もかなりのもので、港沿いの中心街一部だけが、それなりの趣きのある街でございました。

期待した買い物も、ユーロのせいか物価が高くて意気込み程上手くいかず。 品数店の多さはそれなりで、ウィンドウショッピングは堪能いたしましたがいささか時間も足らず。 ただギリシャも小型の人間が居るので、日本サイズ9号もさほど見つけるのが難しくない、という点は有難く。でもね、ハーゲンダッツでモカチーノ飲んだら4.5ユーロ。 邦貨にして約540円か。 たけぇ。 日本でもそんなもんですか? ギリシャってばこの前まで物価が安い(だからドイツ人観光客が大挙して押しかけたりしてたんだが)国だったはずなのに、ユーロに切り替わった途端に全て値上がりしたものと思われます。 今はやっぱりトルコか、旧ユーゴスラビアってことよね。 でもマケドニアじゃなくて、クロアチア。

テッサロニキから20kmばかり南に行った、もう寒くて観光客もいない海岸沿いで、ギリシャ人のお客ばっかりのレストランに入って魚の丸焼き、一匹5000円なり。 確かに30cmくらいはありましたけど、完全ユーロ値段。 海を目の前にしてそれか! という感じでありました。

とにかく、久々の海の幸は、堪能させていただきました。 日本レストランに行き損ねたのは残念ですが、それは年末ドイツにて、の予定。 行けるか? 年末だしね。 ドイツだしね。 みんな休んじゃってるってことも、ありうる。

あ、そうそう!

ギリシャ人にとっての「マケドニア」は、あくまでギリシャ北部を指すのであって、今私がいる場所は「マケドニア・旧ユーゴスラビア」なんですわ。 ギリシャで買った地図にはFYROMとしか書いてない。 FORMER YUGOSLAVIA REPUBLIC OF MACEDONIA と書くのも嫌って気分が丸見え。 この国は、彼らにとってFYROM。 口に出すのもナンとやら、という感じです。

テッサロニキから出てこちらに帰ってくるのも大変だった。 環状道路・高速道路の標識に、地名が出ないー。 「アテネ」とか「キルキス」とか「エデッサ」とか、色々書いてはあるのですが、スコピエに向かう高速道路沿いの都市は名前が出てこない。 要は、西に70kmばかり行った「エデッサ」方向をめざして高速に乗ればいい、ようなのですが、そんなこと、知らないから、迷った。 北に直行する高速があるんだから。 あれは絶対嫌がらせー。

もうこの高速に乗ったらマチガイなく国境ね、と思った頃にやっと小さく「EVZONI」 って出てきました。 ちっちゃーく。 これ、国境最後の町(村?)の名前。 

なんだかね、FYROMなんか行く道はないよ、とでも言いたげな。 

んで、月曜夜帰宅。 果たして家の中は?

バルコニーの柵は完成しておった。 一部屋のクローゼットが半分やりかけ(棚三つ作っただけで放置)。 ・・・それだけ。

それから1週間ですが、浴室のタオルハンガーが設置されただけで進展無し。 その設置も、友人のお父さんと私がやりましたのさ。 

んも、とにかくやる事が遅ぇ。 道具をよこしな! あたしがやったら一日で終わりだ! とは思うのですが

大家さんがやるべきこと、大家さんが出費するべきこと、云々でテナントのわたくしが手が出せないとこが却って辛いですぅ。 見てるだけ。 イライラしながら。

おまけにですね。

荷物がまだ届きませんー。 税関に3週間止められて、一昨日やっと書類の問題が済んでさあこれで、と思ったら今度は運送会社が、倉庫から家までの運賃払えって。 カンボジアですでにDOOR TO DOOR の運賃全て支払済みだっつーの。 これでまたひと悶着。

しかし私は確信する。 運賃の問題が解決したら、今度は保管料をよこせというのに決まっていると。

友達が荷物が2ヶ月止められたのに嫌気がさして、ギリシャに全部送り返したっての、よーく、よーく、分かる。

車もまだ買えず。

外国人用ナンバープレートの入手にてこずっているのであります。 さっさとやれ!

日本のお役所仕事も煩雑で色々書類が必要で、イライラさせられることは多いけれど、ここはもっとひどいー。 
一つ書類を出してやれやれ、と思うと
「あ、これじゃ足りないので次のXXを」 それもクリアーすると
「XXの正式なスタンプはないの?」 (無い。 誰も使わないのにどうして存在するのか) 仕方がないのでわざわざスタンプを作って提出、
「もう一つ、XXのスタンプは?」 それなら最初のと一緒に言え! (でもこれも存在しないので、存在しないという証明書が必要になった)
「そしたらプロジェクトの予算の配分表を詳細に渡って」 どこに融資をどれだけするかなんて、まだ決定されてないの。 もしかして、一部自分に回せってこと?
必要な書類スタンプ署名のリストをくれればいいのに、絶対しない。 リストなんか、存在しないんだろ。 因縁つけてるとしか思えない。

またもイライラ。 ビザも簡単におりない。

あんたらの国を侵略しに来たんじゃないんだから。 来て欲しくないんなら、そう言えばぁ? そんなら来ないからさ。 でもこの国に投資投下されるお金も全部、無かったことにしてもらいます。 金はよこせ人は来るなでは、身勝手でしょお。

って嫌味を言いたい。 思いっきり。

リトアニアもなんだか大変だなあ、という部分が多かったんだけど、もう来年はEU参加だもんね。 同じ91年に独立していて、この差はなんだ?

共産圏時代は他の国を先取りしていたユーゴスラビアだったけれど、それが却ってアダになったか? 努力しなくても大丈夫ってタカをくくってたか?  ウサギとカメですねえ。 居眠りしてる間に追い越されてしまいましたよ。

今更他の国に融合されるわけにもいかなさそうだし(セルビアだったらアメリカが反対だ。 アルバニアだったらマケドニア人の民族感情逆なで。 ブルガリアが一番近い、けど、一度分かれてしまった国がまたもう一つにとは考えにくい。 国民投票で独立した国だしね、ドイツや朝鮮半島の状況ともちょっと違う) 誰かが武力が占領するだけ・・・ってもうオスマントルコがやってましたね、ここ。

こういう小さい場所(と私的には小さい、と思う)でぐちゃぐちゃぐじゃぐじゃ言ってるのを見ると、もう勝手に一人でやってろ! って思う。 井の中の蛙なんぞ見捨ててしまえ、と。 キュラソーも、カリブ海に沈んでしまえ!と念じたのを思い出しましたわ。 おほほ。 「中華」思想をその規模で抱くってのはスゴイけどさ、現実を踏まえていないような気がするんよ。 やっぱり小さいからこそ、色々こだわるんでしょうかね。

そんだけ、暇なのか。

だからEU参加にずっと遅れちゃうんだよお。 まあ、EU参加が必ずしも宜しきこととはいいませんが、気がついたらこの辺で貧しい国って呼ばれちゃってるんじゃ仕方が無い。

荷物は来ない家は整わない来るって約束したおやぢは来ない掃除のお姉ちゃんも来なかった車も来ない ので、本日の更新はいささか攻撃的。 あーもお。 いかんいかんいかん。 これではいかん。 色即是空 空即是色。






ぺシャワール会ものぞいてみてください。アフガニスタン難民を助けています。月に2000円で、お腹が一杯になるんです。

とはいえ、なんだか途上国への援助って、もうやめたら・・・と思い出しているわたくし。 カンボジアも、アフガニスタンも。 貧者を見殺しにするのか? という声もありますが、なんだか脱力しちゃいますがな、その「援助」がどこに流れていくかと見聞きすると。 実際に役に立つモノは送っても政府が喜ばず、歓迎されるのはどうにでも途中でごまかせる援助金とか、大型プロジェクト、とかそんなんばっか。 

援助されて当然って顔するな! 自分で立て! 働け! ベンツなんか乗ってるな! ってよく思うんですけどね。

マケドニアは、やっぱりヨーロッパなんだなって感じます。 基本的に、みんな働く(でもノロイということが発覚した)。 共産圏瓦解のショック(とユーゴスラビア解体のショック)からの立ち直りが未だ必要ではありますが、一部アジアやアフリカの貧困とは一線を明らかに画しております。 それでも汚職はやっぱりあるようですがね。




前の日記次の日記 マケドニア日記 バックナンバー カンボジア日記

リンクフリー。 サイト上の文章・写真の無断転載・複製お断り。 
Copyright reserved by Mari 2003