MAKEДOHИJA

The Former Yugoslav Republic of Macedonia
マケドニア 旧ユーゴスラビア共和国


マケドニアについて。
多少の誤謬誤差がありましてもお許しを。


マケドニア 国旗 気候 通貨 治安
言葉 人々 物価・経済 交通 アルバニアゲリラ
時差 ビザ


マケドニア 

マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国。 1991年9月8日、ユーゴスラビアよりの独立が国民投票で決定される。 
人口約204万人。 マケドニア人が約67%、アルバニア人23%、トルコ人4%、その他セルビア人、ロマ(ジプシー)等。
首都スコピエ(SKOPJE)。 首都の人口は約60万人(45万だとか、70万近いとかの話もある) 公用語はマケドニア語。  
国境を接するのは 北にユーゴスラビア、南はギリシャ、東はブルガリア、西はアルバニア。 緯度的にはイタリアとほぼ同じ。 四方を囲まれているので残念ながら海は無し。 バルカンの地図はこちら
山がちな国土(25,000km2)で、首都スコピエはい盆地。マケドニア最高峰はGOLEM KORABの2,753m。 スコピエにいるとどの方角が南なのかすぐ分かります。 目の前にせまる山(丘・十字架付き)があるのが南。 山が遠くに見える方が、北。 マケドニアの地図はこちらをどうぞ。
 

マケドニア、につけて旧ユーゴスラビア、と正式名称に付け足さなければいけないのは、ギリシャが「マケドニア」を国名として使用することに反対しているから。マケドニアといえば、覇者アレクサンダー大王の巨大な王国を誰もが連想するところですが、今のマケドニア領土よりもギリシャあたりの方がよっぽど「歴史的旧マケドニア領」だったのが理由だとか。 ギリシャとしては「マケドニア? そらウチらの国の話やんけ。 マケドニアなんて名前使ってうちらの土地まで占有権があるなんて言わせまへんで」とでも主張したいところか? まあ、他にも色々他人には言えない(!)理由もあるのかも・・・。 ギリシャ北部は「マケドニア地方」って堂々と呼ばれてるし。 マケドニア・ギリシャ国境でギリシャ側に入る場所には「WELCOME TO MACEDONIA]って立て看板が。 殆ど嫌がらせ。 

民族的にも、紀元前2世紀の「マケドニア王国」の人々と、今のマケドニア人(スラブ系)は違っていますからちょっと苦しいとこかもしれませんね。 ブルガリアも、ほんとはあそこはブルガリア、なんて思ってるようだし。 ユーゴ解体の折にはずみで出来ちゃった国がマケドニア、なんて言う人もいます。



国旗

赤地に黄色の太陽をあらわす図柄。 マケドニア王、フィリッポス2世(かのアレキサンダー大王の父)の棺の模様だった、とか。 国連などで使う旗は2:3の比率ですが、マケドニアの正式国旗は1:2の細長い形です。 何故? やっぱお棺だったから・・・?  実はこの旗も、最初のバージョン(赤地に黄色の花形太陽、これが「フィリッポス2世の墓、らしき場所から出たもの)はギリシャが強硬に反対したので、色々代替案が出た挙句に決定されたものです。 最初のバージョンの方がよっぽど可愛かったのに。 ただ、今でも「公式旗」と平行して旧バージョンも飾られているのをみることができます。 双頭のワシとか、ライオン(?)とか、色々案があったのになんでこのデザインに落ち着いたんだろう。 興味のある方はこちらを。




気候

地中海性気候と人は言う・・・すなわち、気温は高くても乾燥して心地よい夏、そして穏やかな冬。 でも。 大陸性の気候だと言う人も。 特に首都スコピエは盆地のせいか、「暑い夏、寒い冬」だって説があります。 まあ暑いといってもやはり大陸で、日本の高温多湿よりはずっと過ごし易い。 日陰に入るか、家にこもってブラインドを下ろす。 エアコンがある家も、ドイツやフランスに比べて格段に多いけれど、エアコン無しじゃ耐えられない!ほどの夏ではありません。 冬。 スコピエでも零下20度になるとか?  ここは南欧では? やはり中欧なのか? まだ今の時点(2003年9月)では冬を体験していないのでなんとも言えませんが、期待したほど「暖かい冬」という訳にはいかないようです。 降雪量はそこそこある、という話です。 

日本からなら「日本よりちょっと寒め」の気候を想定して荷造りですね。 特に冬場は、厚手のジャケット、手袋、ババシャツ、出来れば帽子(頭から体熱は逃げるのであります)必需。 夏も夜冷えこむことがある(ヨーロッパならどこでも大概そう)ので、フリース一枚持ってて損はありません。



通貨

ディナール(DINAR、MKD)。 2003年9月現在、1ディナール ≒ 2円相当。 (1ユーロ ≒ 63ディナール)銀行よりも、私設両替商の方がわずかにレートがよいようです。 パスポートの提示も銀行では必要ですが、両替商では必要無し(現金の場合)。 勿論ディナールが正式通貨ではありますが、高額な取引(車やアパートの賃貸料、ホテルのルームチャージ)はユーロで表示されたり、ユーロを受け取ってくれる商店も存在します。 両替も、ユーロが一番簡単。 次は米ドル。 日本円は、ここではかなりマイナーな通貨なので、大きな銀行に行かないと両替不可と思っていた方がいいでしょう。

聞いた話ですが、日本円は一度につき2万円しか両替できないとか。 何故? ユーロの現金は、簡単です。

クレジットカードは、マスター、ダイナーズ、それからビザが一般的。 
 

ディナールの種類: 硬貨; 1,2,5 ディナール
          紙幣; 10,50,100,1000,5000



治安

日本並み、あるいは日本より治安が良い、というのが第一印象です。 最近なんだかヘンな通り魔やら、引ったくりの横行する日本よりずっと安全かも。 勿論犯罪は存在するし、「アルバニアマフィアの悪事」も存在するようですが、カンボジアから来た身としては「そんなもん」というのが感想です。 道を歩いてて銃撃戦に巻き込まれる訳じゃなし。 (しかしそういってダレていると足元をすくわれるかもしれませんのでな、用心は必要。 そらいつでも、どこでも、ですわ)
スコピエの旧市街(北東部)にはバザールがあって、トルコ人やアルバニア人が多く商いをしていますが、そのバザールより北、アルバニア人が多く集まる場所は剣呑なので行かないように、と警告されました。 まあどこの都市にもある「ちょっとマズイ場所」ですね。 君子危うきに近寄らず。

アルバニア国境沿いではゲリラがそれなりに潜伏・活動していますので、国境沿いの単独行、なんてのはお勧めできません。 日本外務省の海外安全情報では、「渡航延期」になっています。(2003年9月)

長くなりそうなのでこれは別項「アルバニアゲリラ」を参照してください。 



言葉

マケドニア語が公用語。 アルバニア語、トルコ語も一部では使用される。 とはいえ、かなりの率で英語を話す人が存在します。 特に首都では。 市場や肉屋さんパン屋さんでも英語がかなり通じる。 教育を受けた人が、そういう場所で働いているのかもしれません。 次はドイツ語かな。 マーケットのナッツ売りのおじさんは、いきなり流暢なフランス語を喋りましたが、フランス語は比較的マイナー。

文字ですが、キリル文字を使用。 なので、あっさり読めない。 Д・И・Б・Ш・Ф・Ц・Зなどですね。 ロシア語と殆ど同等。 スラブ系の言葉で、ブルガリア語が分かれば大抵OK。と言われてもぉ。 ユーゴ時代のセルボ・クロアチア語もみんな9割方理解できるとか。 でもこれも私はお手上げ。 ロシア語を話す友人(彼女はなんとウクライナ出身)はかなり聞いて分かってきた、けどやっぱり話せない、なんて言ってました。 まったくよお、なんでこんなに言葉が沢山あるんでしょうね。 バベルの塔のせいかー。



人々

マケドニア人が7割弱、アルバニア人2割強、これで9割。 あとはトルコ人、セルビア人、ジプシー。 他の国に比べて、人種のバラエティがあるというか、(東洋人と黒人は殆ど見かけないにしろ)ロシア的金髪からトルコ的(或いは中央アジア的)褐色まで、様々な人がいます。 少ないだけに東洋人は目立つにしても「なんじゃこの生き物は?」的には見られません(動物園にいたら一緒に写真撮って、と言われたけれど。 む? 動物並みに珍しかったからか?)。 マケドニア人のアルバニア人に対する不信感はかなりのものですが、その点に巻き込まれなければ大概の人はフレンドリー。 異民族との接触が多いと却って排他的になる人々も多いのに、マケドニアではあまりそれを感じません。 アルバニア人でなければ、まーいいよ、ってこと? もしかして。

日常の言動からかなり寛容である、と思われるマケドニア人も「ジプシーはいいのよ、別に居るだけで大して悪さもしないから。 アルバニア人は密輸したりギャングだったり、いいこと何もしないもの、この国にいるべきじゃないわ」とのたまいました。 ひー。

確かにそういう部分があるのは否めないでしょうが、マケドニア人より働き者ではないか? というのが私見。 というより、通商向きの人たちなのね、きっと。



物価・経済

結構高い。 これが第一印象。 勿論日本に比べたら生活費(食費)は低めになりますが、家賃・電気・電話・水道等等はかなり、高め。 携帯電話も独占企業一つっきりなので、高いです。 油断していると5000円分のチャージがすぐ無くなってしまう。まだ友達もあまりいないこの状態で、これだ。
GDP一人あてが5000ドルちょっと。 日本の25000ドルに比べて5分の1。 だから、物価も5分の1かっていうと、全然違うのでありました。 みんなどうやって生活しているのだ? 銀行員の月給が2万5千円くらい。 人が言うには「ブラックマーケット」だっていうんですけど。 或いは地下ビジネス。 表に出ない副収入が、かなり、とか?

農業国らしく、マーケットでの野菜果物は豊か。 やはり、南です。 ちなみに 1kg単位で
人参    60円
桃    100円
トマト   50円
玉ねぎ   60円
長ネギ一束 50円
コメ   150円
こんなのは、日本に比べて断然、安いー。   おコメも長米じゃなく、日本米に近い丸さ。 でも、まあ、味は違うけど文句は言えない。マーケットに行くとついキロ単位で色々買い込んで、家までヒーヒー言いながら重い荷物を運ぶ羽目になるのであります。 

コーラは1L 90円(マケドニアのコーラはなんだか甘い! 何故だ。 レシピが違うのか)。 ジュースはマケドニア製で1L120円くらい。 パンは一斤70円程度。 ミルクも1L 100円弱。 

地元のおっちゃん達がいつもだべっている(あんたら仕事は?)中級レストランで、グリークサラダ・ケバブ(小さいウィンナーのサイズ)10コ、ミネラルウォーター、それにパンがついて350円くらい。  中心街にあるイタリアンレストランでパスタ一皿400円弱。 これは、ちっと高級。 中華に行ったら、これは高かった。 大人4人で5000円。 すいませんね、日本だったら1人5000円かもね。

贅沢しなければいいのか? でもスーパーに行くとなんだかすぐお金が無くなるんですが。

輸入品は、高い。 特に、マケドニア産のものとバッティングする場合は。 ドイツ製ミューズリーなんかドイツより高い。 で、下の段にあるマケドニア製ミューズリーは半額くらい。 自国の農業・製造業を保護する為に高額の税がかけられるようです。 ただ、旧ユーゴスラビアの国々のモノは比較的安いので、彼らの場合は税が免除されているのかも。 タバスコさえ、一本450円くらいする。 日本でいくらだっけ? 日本でも高かったか? カンボジアでは一本150円するかしないか、だったので、ショック。 いくら唐辛子を生産するからっていっても、タバスコとあんたらの作ってるチリペーストでは味が違うだろう。 その辺考えて課税してくれ。

まあ基本的には「ゼイタク品」に課税されてるようで、そう文句は言えない感触。 車は約30%の課税になります。通常の物品税に加えて「ゼイタク税」があるので。 日本も昔はそうだったよね。

ギリシャ人なんか、週末はテッサロニキまで行って買出し!だってさ。 安いし。 いいかも。 ユーロ使えるし (後日談:ギリシャも物価は安くなかった。 というより、高かった。 他のEU諸国以上。ちょっとがっかり)。



交通

市内はバス(かなり旧式の排ガス臭いの)が走っています。 あとはタクシー。 無線タクシーの会社がいくつもあって、街中どこでも簡単に流しているのが拾えます。 最初の3kmまで、50ディナール(100円)。 メーターがついているので安心だし、ちょっとそこまで、なら大概50で収まってしまいます。 中心部のちょっと観光客がいそうな場所で拾おうとすると、「200ディナール」なんてふっかけるのもいますが、それだったら50mも歩いて他のをつかまえればよろしいのです。

大通りの交通量はそれなりに、そして車の運転は荒い。 とはいえ、フランスやイタリア並み、という程度(と最初は思いましたが、同等に扱ったらやっぱりいけないだろう、という結論に達しました。 おそらく、トルコ並み、というレベルでいいのかも)。 歩行者優先、という考えはあまり(まるで)徹底していないので、道を横断するときは十分に気をつけて渡りましょう。 止まるだろ、と期待してはいけません。 ここでは(ここでも)車は止まらないものなのだ。

カンボジアのように、車線を逆行してくるようなのはいませんが(当たり前だ)Uターンするのに横断歩道を使うっての、結構あるようで。 いつも乗るタクシーの運ちゃんは、いっつもそれをやってくれるので、乗ってる私はいささか、困惑。 でも自分で運転するようになったら、したりして。 郷に入っては・・・。

ちなみに他のヨーロッパ諸国と同じく、車は右側通行、左ハンドル。


列車は走っていますが、バスの方が一般的です。 コソボあたりまでの国際バスもしょっちゅう走っています。 片道2時間だっていうから、国際と言っても短距離です。 ベオグラードあたりまで行くともうちょっと時間がかかりますが。 ブルガリアのソフィアまでは、5時間。 



アルバニアゲリラ

National Liberation Army と称する(でも略すと何故かUCK)アルバニアゲリラが国境沿い山岳地帯に潜伏して、「マケドニアに住む40万人のアルバニア人の権利を守るため」とか「偉大なアルバニアの領土を守るため」とか宣言しています。 ミロシェビッチの「大セルビア構想」に対してのアルバニアゲリラの存在意義は、「大セルビア」の実現が不可能になってからなんだかぼやけてしまった為に、今度はいっそ「大アルバニア」を前面に押したてよう、という動きも。
ほんとのところは密輸などのマフィアビジネスは、国境沿いがある程度「乱れてルーズ」な方がやりやすいから、という説も。 この辺り、東南アジアからの麻薬(大麻・ハッシシ)の物流ポイントなので。

大きな声では言えない、でもアルバニアにはアメリカのバックアップがついてる、という噂。 対セルビア政策としてアルバニアに近づいたアメリカ政府、戦闘インストラクターや武器を供給(情報収集の為に携帯電話を大量に配ったとか)。 クリントン政権の頃の話ではありますが、未だ完全に「切れて」はいないようです。 その辺、どうもNATOが文句をぶつぶつと。  

マケドニア国内では、「マケドニア人優遇政策」が採られたり、アルバニア語は公用語にならなかったりしますから、それに抵抗しての動きってのもありますけどね。 この前も、ビトラ市にアルバニア語で授業を行う学校を!なんてデモが行われてました。 

2001年3月にはゲリラとマケドニア軍との軍事衝突が発生。 2003年8月にも、村二つ占拠する騒ぎがありました。これは大した武力衝突にもならず尻切れトンボで終了(でも死者は2人程度は出た)。 銃を持って戦闘するのはコソボから来たアルバニア人が殆どらしいです。 戦争中毒してるのでは? 平和に耐えられない人種が出来上がりますからね、戦争の後では。



時差

GMT+1時間。 日本からはマイナス8時間。 ただし、夏時間があるので3月末から10月末までは日本時間マイナス7時間です。 すぐそばの国境を越えたギリシャはGMT+2時間。 この前行った時気がつかなくて、朝食をあやうく食べ損ねるところでした。 そんな、2時間ドライブしただけで時差があるなんて、思いつかなかったもんね。



ビザ

2004年1月現在、日本のパスポート所持者、90日までの観光目的での入国であれば、ビザは必要ありません。 なので、留学或いは就労目的以外でマケドニアにいらっしゃる方は、ビザの心配なし。 余談ですが、ビザの取得は大変です。 資格云々がウルサイとかそれ以前の問題で、書類の山、と、官僚主義、と、効率の悪さで。

詳細はマケドニア名誉総領事館に問い合わせるのが確実でしょう。 
東京都港区港南3−4−12−210 
tel: 03−5461−4470
(この情報も暫時変更があるかもしれません。 ご了承を)